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トーキングヘッズ叢書No.95 SWEET POISON〜甘美な毒



トーキングヘッズ叢書

(TH Series)No.95

「SWEET POISON〜甘美な毒」


不肖 松永天馬、しらいさんと表紙に登場。

アーバンギャルドの15周年を振り返ってインタビューも受けています


A5判・並製・208頁・税別1444円

ISBN 978-4-88375-502-8

発行=アトリエサード/発売=書苑新社(しょえんしんしゃ)


予約受付中📖💁‍♀️


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毒、というのは言うまでもなく、

生命の維持に支障をきたすもの。


しかしご存知の通り、

同じ物質でも量などの加減によって毒にも薬にもなったりするし、

また、ある生物には毒であったりするものが

別の生物にはまったくそうでなかったりする。


毒は生物にとって完全悪なのではなく、相対的な概念。

その絶妙なバランスで生態系が保たれているのだ。


国立科学博物館、大阪市立自然史博物館での「毒展」や、

サンシャイン水族館での「もうどく展ReMix」が人気を集めたりしたが、

そこには、人間中心の価値観に対する懐疑の広まりもあるのかもしれない。


一方、毒は、生命の危険と隣合わせであるからこそ、人を惹き付けてきた。

そこにはタナトスの欲動も投影されているのだろう。

そして毒は、表現の性質に対する比喩にも用いられたりするが、

その喩えにも、危険性の警鐘よりも

魅惑の思いが強く込められていることが多いように思う。


「毒」は、毒そのものはもちろん、比喩においても、

既成概念を問い直すものであるのだ。


「毒」を、新たな境地に導いてくれる、ある意味、甘美な誘惑として捉え、

その世界を逍遥してみよう。


★特集以外にも、書評、映画評、舞台評、展覧会紹介、エッセイなど満載です!


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■主な内容

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■三浦悦子の世界〈29〉[時計じかけのchocolate cake]

■まえがき●沙月樹京


■四方山幻影話54●堀江ケニー/モデル:松永天馬・しらい

■松永天馬(アーバンギャルド)インタビュー〜毒にも薬にもなるような音楽を創りたい


■「オオカミの家」〜人形が、絵が、動き変容する、めくるめく悪夢

■宮本香那〜ほのかに甘い、シニカルな毒

■臼井静洋〜酸鼻極まる毒々しい残酷絵

■与偶〜傷つき、でも生き続けようとする精神


■ろくでなし子×森下泰輔〜逮捕・裁判の経験もアート作品へと昇華!●ケロッピー前田

■童話の中の少女は、なぜ毒を受け取ってしまうのか●馬場紀衣

■あどけない子どもにひそむ悪と毒〜映画『ドイツ零年』、『カラスの飼育』などにみる父殺しと死への欲動●浦野玲子

■十九世紀英文学とアヘンというパルマコン●市川純

■美貌の毒殺魔・ブランヴィリエ侯爵夫人●並木誠


■毒でも愛する美しき退廃〜ソログープ『毒の園』●あや野

■『人間失格』ト云フ毒●八本正幸

■KCNはアーモンドの香り〜ふたつの『白い家の少女』●宮野由梨香

■まさかの時の猛毒豆知識〜有名毒物の科学と雑学●阿澄森羅

■きのこの毒性と魔性〜その神秘の力に魅了されて●馬場紀衣

■禁断の秘薬、マンテカ・デ・ムエルト●釣崎清隆

■こんな毒なら呑んで死にたい〜酒びたりの物語たち●日原雄一


■明治初期の毒婦ブームを追う〜人々はそこに何を求めたのか●水波流

■横溝正史と毒〜語らず語る探偵小説ごころ●高槻真樹

■毒薬とミステリー〜変格作家、小酒井不木●志賀信夫

■パク・チャヌクの異常な愛情〜『お嬢さん』の毒々しさ●浅尾典彦

■汚染された地質時代としての人新世●本橋牛乳


■こやまけんいち絵本館52「お菓子作り」●こやまけんいち

■《コミック》 「どくどく」●eat

■《小説》 ダークサイド通信no.11「致死量の独白」●最合

■一コマ漫画●岸田尚


■REVIEW

◎澁澤龍彥「毒薬の手帖」●梟木

◎ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」●並木誠

◎モクモクれん「光が死んだ夏」●日原雄一

◎アニーシュ・チャガンティ監督「RUN」●さえ

◎「グリムトゥースのトラップブック」●岡和田晃 ほか


■辛しみと優しみ53●人形・文=与偶

■立体画家 はが いちようの世界41〜石ノ森章太郎の机●はが いちよう


■TH RECOMMENDATION

◎特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」〜マヤ文明、赤の女王のマスク本邦初公開! 古代メキシコの3000年を三大遺跡で一望●ケロッピー前田

◎サラ・ポーリー監督『ウーマン・トーキング 私たちの選択』〜ひたすらに話し合う、それだけなのに見えてきたこと●岡和田晃

◎ディーン・フライシャー・キャンプ監督『マルセル 靴をはいた小さな貝』〜ストップモーション・アニメだからこそ生まれたリアリティ●岡和田晃

◎刺青愛好会 TATTOO PARTY TOKYO JAPAN〜日本のタトゥー新時代の扉を開く、刺青を心から愛するものたちの集い●ケロッピー前田

◎月 個展「待宵の月」〜未完の美を湛えた儚き人形たち

◎浅野勝美 出版記念展〜妖しさの中にきらめく澄み切った美

◎花 個展「あそびめ人形展」〜遊郭跡にあそぶ、あでやかな人形

◎ユハ・アルヴィド・ヘルミナン展〜制服のもとに喪失された自己

◎『ホリデイ・イン』〜ブロードウエイの極上の舞台を映画館で

◎陰翳逍遥51〜小野塚誠写真展、ろくでなし子vs森下泰輔、ARTWAVE 目黒現代美術展 2023、吉増剛造展●志賀信夫


■TH FLEA MARKET

◎カノウナ・メ〜可能な限り、この眼で探求いたします/第52回 SHINSEI〜読み直しは新しく生まれること●加納星也

◎新・バリは映画の宝島/才人サソンコ〜荒唐無稽な格闘技アクションも小洒落た現代劇も、なんでも御座れ(後)●友成純一

◎よりぬき[中国語圏]映画日記/香港市民はどこでどんなふうに生きていくのか〜『わたしのプリンス・エドワード』『縁路はるばる』●小林美恵子

◎ダンス評[2023年4月〜6月]/二つの挑戦〜伊藤キム、アンサンブル室町、柿沼唯、大平健介、田中誠司●志賀信夫

◎「コミック・アニメ・ゲーム」×ステージ評/1518!イチゴーイチハチ!、トワツガイ、ブルーロック●高浩美

◎絶滅寸前のタトゥー文化が蘇り106歳女性彫師が『ヴォーグ』の表紙を飾る〜大島托のトライバルタトゥーの旅●ケロッピー前田

◎「天才は狂気なり」という学説を唱え、犯罪人類学を創始した奇矯な精神病理学者チェーザレ・ロンブローゾの思想とその系譜〈49〉●村上裕徳

◎山野浩一とその時代(24)/『戦え! オスパー』の新発見フィルム「毒蛾の大群」と脚本「人魚のなみだ」●岡和田晃

◎弦巻稲荷日記/RRRに、ファイナルファンタジーに、エクスカリバー、宝塚が熱い!●いわためぐみ

◎オペラなどイラストレビュー●三五千波

◎東京の流刑地(3)●大黒堂ミロ

◎TH特選品レビュー


■表紙=写真/堀江ケニー、モデル:松永天馬・しらい



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